*読めば分かるように期待を裏切らない変態です。
【先日のあらすじ】私、相楽奏(笑)は高校に行く途中で怪物に襲われた!しかし手から不思議な青い光が放たれ助かった。この力は一体…?そして謎のおじさん・マーオについて異世界に行っちゃった私、ど~なっちゃうの~!?
っつーわけでべらぼーに長い『こんな人生送りてーな』妄想始まるよ!
日の光を浴びて、泉の中神秘を纏って佇む乙女の像。
それが、私…?
「私、いつの間に有名人に…」
「そりゃ有名さ。この世界で、知らぬ人なし伝説の乙女―生まれる前から有名なんだよ、君。大変だな。」
それはえらい大変なことである。
「その、伝説を私は知りません。」
今から教えるさ、とマーオが泉に手をかざすと、一瞬赤い光が弾けた。もう一度泉を覗きこんでみると、水面は淡く輝き、見つめる私の顔ではない何かを映していた。
「これはスクリーン。過去の投影だ…。」
ヒトとマモノが対立する世界。
いつからかは分からない。世界の始まりの時から、すでに定められていたのかもしれない。マモノがヒトを食らう以上は対立は避けられぬことであった。
しかし定めなればこそ、ヒトは知恵と数で繁栄を究め、またマモノは数少ない脅威となることで均衡は保たれていたのだ。
勇者が必要とされたのはその均衡が破られた時。
ヒトとマモノの戦い、しかしマモノは元よりヒトの捕食者である。その圧倒的な力の前にヒトはただ嬲り殺されるのみ。
そこに現れたのが、伝説の乙女と呼ばれ、聖女となり、ヒトを救った一人の娘。
その圧倒的な魔法と、まさに勇なるその姿に劣勢であったヒトも盛り返し、マモノは退却を余儀なくされたのであった。
しかし保たれたかに見えた均衡は、その後幾度も破られた。その度少女は勇者として姿を現し、ヒトを導いた。
「…という『伝説』なんだがね?」
断片的な映像の中に、一際目立つ少女がいた。強く引き結んだ口元、真っ直ぐに前を見つめる瞳、青い炎を纏ったかのようなその姿を追うと、水の中にかき消えてしまう。
「君はヒトを救うために生まれた。世界のために産み落とされた。君が望もうとも望まざろうとも、誰もが君の存在に期待している。」
「私にそんな力があるとは思えないです。」
「しかしその力は具わっている。さっき、見せてもらったよ。」
さっき…そう、私は何も意識しないで放った青い光が怪物を消し去った。青い…。
「世界の均衡は破られた。今また、ヒトは勇者を必要としている。」
「私が…マモノを倒さなければならないのですか?」
「駄目だ。」
また、方頬で笑う。
「今のままでは…ただの女子高生で、窮地に陥った時に何となく魔法が放たれるようでは、勇者になんぞなれはしない。」
何となくむっとする物言いだが、自分でもそう思わないことはない。魔法がさっきの光だったこともようやく分かったところなのに、それを使う段ではない。いや、自分が伝説の勇者だということもまだ信じていない。そもそも現実だと思ってもいない。
「だから私が君をこっそり迎えに来たんじゃないか、ヒトビトが落胆し絶望しないように。君はこの世界のことは何も知らない、戦う術も知らない、自分の事は何も分かっていない。だから、」
「だから、あなたが教えるんですね?」
そう、とマーオは満足げに答えると、部屋の外に出ていく。私が慌てて後を追うと、外は鬱鬱と繁る森だった。嗅いだことのない強い草の匂いに、思わず息が詰まる。
「言っておくが君、」
マーオがにやにやしながら、
「帰ろうと思っても、帰れんからね。私は地球に帰すつもりはないよ。多少警戒心に欠けるな、無謀であるのを勇とは呼ばない。」
「月にだったら送ってくれるんですかね。」
これは予想外の返しと見えて、ふふふと両頬をきちんと歪ませて笑ってから「死ぬよ」と答えた。
私は私で、『この世界』の人である彼が地球に対して案外正しい理解をしていることに疑問を抱いていた。マーオが特別に詳しいのか、『この世界』では誰でもが『異世界』を詳しく理解しているか、である。
「あなたは何者なんですか。」
「今君に言っても分からん。それに、教えるつもりもない。私は君の迎えという以上には役割を持たないのだよ、今のところは。」
フェアじゃない、と呟いてみる。
マーオは私の右腕を取って、「イメージだ、さっきの力を指先に溜めるイメージをしてみろ。」と、私の指先を強く握りこんだ。
イメージでどうにかなるんならよ、と思いつつ、イメージする。指先に、熱さを感じた。マーオが手を離す。
熱くてチリチリするような、痛みを感じて、しかし腕を動かすことも出来ないまま、体が震えた。指先に『溜まった』ものが爆発しそうだ。
「耐えろ、保持するだけでは駄目だ、溜め続けろ。その程度じゃ話にならないんだ。」
言うけれど、もう腕ががくがくと耐えきれないのだ。力が入らない。
指先で真白な光が弾けとんで、遠くの木の幹を焦がした。
私は全身の力が抜けて、その場に座りこんだ。
マーオはふん、と鼻を鳴らして、
「多少は自分の力で『溜めて』いた。白か…奏、最初に私が力を送ってやって、それを種に君自身の力を溜める練習をさせたんだ。大体、放った力の半分が君が自分でコントロールできた力。だから話にならないと言ったんだ。」
言い返す気力は無かったが、何を言えただろうか。木を焦がす程度でこの体たらくでは。
「さっきは、もっと強い力が出ていたのに…」
「それを自分の意志で引き出せなければ意味がない。あれは…火事場の馬鹿力だ。全くあてにならないだろう。」
ならない。それだというのに、勇者だなんて、何を考えているのだろうか。この世界の人たちは。
意外と一日が終わらない。ちんたらしてるけど作中時間1ヶ月を目処にやるぜー。
っつーわけでべらぼーに長い『こんな人生送りてーな』妄想始まるよ!
日の光を浴びて、泉の中神秘を纏って佇む乙女の像。
それが、私…?
「私、いつの間に有名人に…」
「そりゃ有名さ。この世界で、知らぬ人なし伝説の乙女―生まれる前から有名なんだよ、君。大変だな。」
それはえらい大変なことである。
「その、伝説を私は知りません。」
今から教えるさ、とマーオが泉に手をかざすと、一瞬赤い光が弾けた。もう一度泉を覗きこんでみると、水面は淡く輝き、見つめる私の顔ではない何かを映していた。
「これはスクリーン。過去の投影だ…。」
ヒトとマモノが対立する世界。
いつからかは分からない。世界の始まりの時から、すでに定められていたのかもしれない。マモノがヒトを食らう以上は対立は避けられぬことであった。
しかし定めなればこそ、ヒトは知恵と数で繁栄を究め、またマモノは数少ない脅威となることで均衡は保たれていたのだ。
勇者が必要とされたのはその均衡が破られた時。
ヒトとマモノの戦い、しかしマモノは元よりヒトの捕食者である。その圧倒的な力の前にヒトはただ嬲り殺されるのみ。
そこに現れたのが、伝説の乙女と呼ばれ、聖女となり、ヒトを救った一人の娘。
その圧倒的な魔法と、まさに勇なるその姿に劣勢であったヒトも盛り返し、マモノは退却を余儀なくされたのであった。
しかし保たれたかに見えた均衡は、その後幾度も破られた。その度少女は勇者として姿を現し、ヒトを導いた。
「…という『伝説』なんだがね?」
断片的な映像の中に、一際目立つ少女がいた。強く引き結んだ口元、真っ直ぐに前を見つめる瞳、青い炎を纏ったかのようなその姿を追うと、水の中にかき消えてしまう。
「君はヒトを救うために生まれた。世界のために産み落とされた。君が望もうとも望まざろうとも、誰もが君の存在に期待している。」
「私にそんな力があるとは思えないです。」
「しかしその力は具わっている。さっき、見せてもらったよ。」
さっき…そう、私は何も意識しないで放った青い光が怪物を消し去った。青い…。
「世界の均衡は破られた。今また、ヒトは勇者を必要としている。」
「私が…マモノを倒さなければならないのですか?」
「駄目だ。」
また、方頬で笑う。
「今のままでは…ただの女子高生で、窮地に陥った時に何となく魔法が放たれるようでは、勇者になんぞなれはしない。」
何となくむっとする物言いだが、自分でもそう思わないことはない。魔法がさっきの光だったこともようやく分かったところなのに、それを使う段ではない。いや、自分が伝説の勇者だということもまだ信じていない。そもそも現実だと思ってもいない。
「だから私が君をこっそり迎えに来たんじゃないか、ヒトビトが落胆し絶望しないように。君はこの世界のことは何も知らない、戦う術も知らない、自分の事は何も分かっていない。だから、」
「だから、あなたが教えるんですね?」
そう、とマーオは満足げに答えると、部屋の外に出ていく。私が慌てて後を追うと、外は鬱鬱と繁る森だった。嗅いだことのない強い草の匂いに、思わず息が詰まる。
「言っておくが君、」
マーオがにやにやしながら、
「帰ろうと思っても、帰れんからね。私は地球に帰すつもりはないよ。多少警戒心に欠けるな、無謀であるのを勇とは呼ばない。」
「月にだったら送ってくれるんですかね。」
これは予想外の返しと見えて、ふふふと両頬をきちんと歪ませて笑ってから「死ぬよ」と答えた。
私は私で、『この世界』の人である彼が地球に対して案外正しい理解をしていることに疑問を抱いていた。マーオが特別に詳しいのか、『この世界』では誰でもが『異世界』を詳しく理解しているか、である。
「あなたは何者なんですか。」
「今君に言っても分からん。それに、教えるつもりもない。私は君の迎えという以上には役割を持たないのだよ、今のところは。」
フェアじゃない、と呟いてみる。
マーオは私の右腕を取って、「イメージだ、さっきの力を指先に溜めるイメージをしてみろ。」と、私の指先を強く握りこんだ。
イメージでどうにかなるんならよ、と思いつつ、イメージする。指先に、熱さを感じた。マーオが手を離す。
熱くてチリチリするような、痛みを感じて、しかし腕を動かすことも出来ないまま、体が震えた。指先に『溜まった』ものが爆発しそうだ。
「耐えろ、保持するだけでは駄目だ、溜め続けろ。その程度じゃ話にならないんだ。」
言うけれど、もう腕ががくがくと耐えきれないのだ。力が入らない。
指先で真白な光が弾けとんで、遠くの木の幹を焦がした。
私は全身の力が抜けて、その場に座りこんだ。
マーオはふん、と鼻を鳴らして、
「多少は自分の力で『溜めて』いた。白か…奏、最初に私が力を送ってやって、それを種に君自身の力を溜める練習をさせたんだ。大体、放った力の半分が君が自分でコントロールできた力。だから話にならないと言ったんだ。」
言い返す気力は無かったが、何を言えただろうか。木を焦がす程度でこの体たらくでは。
「さっきは、もっと強い力が出ていたのに…」
「それを自分の意志で引き出せなければ意味がない。あれは…火事場の馬鹿力だ。全くあてにならないだろう。」
ならない。それだというのに、勇者だなんて、何を考えているのだろうか。この世界の人たちは。
意外と一日が終わらない。ちんたらしてるけど作中時間1ヶ月を目処にやるぜー。
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